猫は普段、一人で過ごすのが得意な動物ですが、飼い主がいないことで不安を感じることがあります。過剰に鳴き続ける、室内を荒らす、過剰なグルーミングで脱毛してしまうなどの問題が生じると「分離不安症」と呼ばれます。ここでは、猫の分離不安症について、その原因、症状、対処法を詳しく解説します。
猫の知識や情報を書籍をベースに更新してますので、ご参考に。
猫の魅力を一緒に学びましょう!🐈⬛
今なら!猫に関する本・マンガは「Kindle Unlimited」!
分離不安症の原因
猫が分離不安症を発症する原因は様々ですが、新しい家に引っ越したり、飼い主の生活リズムが変わるなど、環境の変化で猫はストレスを感じやすいです。他の猫が亡くなったり、新しい猫が来たりもストレスの原因にあげられます。
分離不安症の症状
分離不安症の猫は、飼い主がいないときに以下のような行動を見せることがあります。
- 過度な鳴き声:飼い主がいなくなると、過度に鳴き続けます。
- 破壊行動:家具やドアを引っ掻くなど、物を壊す行動をします。
- トイレ以外での排泄:不適切な場所で排尿や排便をします。
- 食欲不振や過食:飼い主がいないときに食欲がなくなったり、逆に過食に走ることがあります。
- 過剰なグルーミング:毛をむしったり、皮膚を傷つけるほどのグルーミングを行います。
分離不安症の改善策
まずは住環境を見直し、猫にとって快適な空間づくりをしましょう。
住環境を見直す
- 安心できるスペース:各々の猫がプライベートで過ごせるスペース、静かで人の出入りが少ない空間、高い場所に登れるような台やキャットタワーを用意する。
- 適切な設備:トイレ、フード、水飲み場、爪研ぎ、おもちゃ、寝床)を複数準備し、それぞれ場所を離して設置する。
- 遊べるおもちゃ:おもちゃで遊ぶ、フードを投げて獲物を追いかける動きを促す。
- 人との距離:多くの人が出入りしすぎない、過度なコミュニケーションを取らない、猫が飼い主さんに乗っかる場合は付き合ってあげる、適度な力で撫でてあげる。
- 猫の嗅覚を尊重した環境:猫が嫌がる匂い、柑橘系の洗剤や強い香水、を使用しない。猫が顎などを擦り付けてマーキングした場所を拭き取らない、猫や飼い主の匂いがついたタオルを置いておく、トイレを清潔に保つ。
獣医師へ相談
動物病院を受診しましょう。専門医の診察は紹介が必要なることが多いので、希望する場合はかかりつけの獣医師に相談してみましょう。
分離不安症の改善
行動修正法
家を出るときや帰ってきたときに大げさにしないことが重要です。「行ってきます」と声をかけないのも良いでしょう。静かに出入りすることで猫の不安を和らげます。飼い主の外出というタイミングで、おやつを与え、「おやつがもらえる」と猫にプラスな楽しみを関連づけてもらうのも良いです。
これらは犬の分離不安で行われる治療法で、犬ほど有効ではないものの一部の猫に対して有効であると考えられています。
薬物療法
獣医師に相談し薬を使うことで、不安を和らげ、行動修正、飼い主への依存度を改善する方法です。
薬の効果は長い期間が必要です。よく獣医師と相談してから使用しましょう。
まとめ
分離不安症は、猫にとっても飼い主にとっても大きなストレスとなりますが、適切な対策を講じることで改善が期待できます。猫の行動に注意を払い、必要なサポートを提供することで、猫が安心して過ごせる環境を整えましょう。